2017
06.18

ミクロの世界と一元論 ④/④

Category: 未分類

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 次に二つ目の「二元論から一元論へ 西洋思想から東洋思想へ」という話です。これについては、『般若心経』で読まれる有名な一節「色即是空 空即是色」を想起させます。「色(形あるもの)は「空」(何もなく)、「空」(何もないもの)が色(形あるもの)である」という仏教固有の思想です。
 先に紹介した原子と巨大なピンポン球とのたとえの他にも、それを補完するような説明を聞いたことがあります。今、仮に体重70キログラムの人が亡くなって火葬にした場合、排煙塔から出ていった二酸化炭素は、それが地球上のどのような場所であっても、1立方メートルあたり約12万個含まれているのだと言います。ところが、私たちにその姿を見ることはできません。これが「空」と呼ばれる状態でしょう。
 しかし、二酸化炭素のもとになっている酸素や炭素も、巡り巡っていずれは他の生物(動物、植物、微生物など)の体や様々な物質の構成材料として発現することになります。これが「色」です。
 地球は、いわば閉じた袋のようなもので、その中にある全ての物質の構成要素である原子は、増えもしなければ減りもしません。“原子レベル”で見れば、これも『般若心経』に詠まれるように、「不増不減」だということです。その意味では、人間も“原子レベル”、つまり一元論の世界から眺めるなら輪廻転生していることになります。
 また、志村氏の話の中では触れられていませんでしたが、全宇宙の96%を占めるというダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー(暗黒エネルギー)についての事実も興味を惹かれます。星や銀河、さらには私たちをもつくったとされるダークマターも、また宇宙の膨張を引き起こすとされるダークエネルギーも目に見えないものです。このことは、まさに「空即是色」という思想にぴったりと符合します(ただし、ここに「色即是空」が当てはまるかどうかは分かりませんが)。
                  
 以上、現代物理学が解き明かした事実と仏教との接点について、身の程知らずな私的見解を述べてきましたが、次元も質も異なる科学の研究成果と仏教の思想とを結びつけるなど、あまりも無謀であり、ご都合主義が過ぎるのでないかとの批判があるかも知れません。
 しかし、わたし」という視点の外から問題を捉え、抽象化することで、俯瞰して物事を眺めるという発想や方法は、宗教家(哲学者も含め)と科学者に共通するものであり、その意味において科学と宗教は明らかに接点があります。志村氏の話の後半に次のような言葉がありました。私はこの言葉に接し、一層その意を強くするのです。
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 自然革命といっても、東洋ではとっくの昔にその神髄を説いていました。では仏教が唱え、物理学が明らかにしたことは何か?それは宇宙のあらゆる事物は互いに密接、かつ直接的に結びついていて、孤立したものは何一つ存在しないということではないでしょうか。仏教やインド哲学では「一如」や「衆縁和合」「分割不可能な全体性」といったことを説いてきました。西洋人は先端技術を使って観察による物理学を通して、1900年になって、ようやくこの分割不可能な全体性に気づいたというわけです。(中略)量子論という世界が拓けてから、ようやく科学においても一元論的な世界が姿を現してきたというわけです。


 本文中には、現代物理学の研究成果が「自然vs人間」といったこれまでの西洋的な二元論から、全てを融合する東洋的一元論へとステージを変えたという見解も示されていました。まったくの門外漢の身ではありますが、これからも科学の動向を興味をもって見つめていきたいと思っているところです。(〆)
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※クリックすると拡大して見られます。


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