2017
03.22

アドラーの心理学から①/⑤

Category: 未分類
DP721115B15D.jpg[A・アドラー]
 19世紀後半にオーストラリアで活躍した著名な心理学者であるアルフレッド・アドラーの理論に触れる機会に恵まれました(NHK Eテレ「100分de名著」)。仏教、とりわけ禅をテーマにすることの多い本ブログにあって、心理学について取り上げることをいぶかしく感じる読者もあるかもしれません。心理学と言えば、人の心の働きや行動を研究する学問であり、実験的方法を取り入れ、実証的科学として成立してきたものです。
 しかし、仏教も心理学もその究明対象(あるいは研究対象)となるのは“心”です。心理学に詳しい友人との対話などから、アプローチの仕方にこそ差はあれ、どこかに接点はあるはずだとの思いはかねてからありました。それだけに誠にありがたい出会いでもありました。
 とは言っても、心理学についての知識は皆無にも等しい我が身です。今回はNHK出版によるテレビテキスト(岸見一郎著「人生の意味の心理学」)を頼りにアドラー心理学の一端を学ぶことになりました。以下、その中から知り得た事柄をもとに話を進めたいと思います。
 テキストによると、アドラーはフロイトユングと並んで心理学における「三大巨頭」の一人とされるとありました。第一次世界大戦が勃発すると精神科医として従軍しますが、傷ついた兵士の姿を目の当たりにして、“人間は闘わないために何をすべきか”を深く考えるようになり、そこで「共同体感覚」を発見したとありました。どうやら、この「共同体感覚」というのがアドラー心理学を特徴づける理論のようです。
 アドラーは、人間は常に今よりも優れた存在になりたいとい思いながら生きていると言い、これを「優越性の追求」と呼びました。そして、多くの人間がこの「優越性の追求」を「競争」と思い込み、他者を蹴落としてまでも上に立ち、自分の優位性を示そうとする傾向にあるとしました。そして、それを精神的な健康を損ねる最大の要因とし、健全な「優越性の追求」の重要性を説いています。
 アドラーの唱える健全な優越性とは、他者と比較して自分が優れていると感じるものではなく、理想の自分との比較の中で生まれるものです。つまり、自分の「マイナス」を「プラス」に転換するために努力を重ねることの中にあるということです。しかもここで特徴的なことは、「優越性の追求」が自分のためだけにするのではなく、他のすべての人が豊かで幸福になる仕方で前に進むことがイメージされているということです。
 アドラーの言葉です。
 真に人間の課題に直面し、それを克服できる唯一の人は、その優越性の追求において、他のすべての人を豊かにするという傾向をみせる人、他の人も利するような仕方で前進する人である
(以下、②/⑤につづく)
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※クリックすると拡大して見られます。

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