2017
01.17

動物たちの心 ③/③

Category: 未分類

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   そこで、ここからはサルたちの名誉挽回を試みたいと思います。
 ネズミの実験から導かれる事実、それはすべての動物たちは、労せずして食べ物を得るより、なにがしかの労働の報酬として得る方を好むという習性があるということです。この事実に照らすなら、サルにあってもそれは例外ではありません。“大切なのは腹を満たすことにあるのではなく、それを得るために何をするかにある”という高い精神的な価値観を共有している以上、サルも人間も変わりません。いえ、年齢を重ねるごとに「コントラフリーローディング効果」を低下させていく人間より、サルの方が優れているとも言えるのかも知れないのです。

 それにしても、人間に現れるという「コントラフリーローディング効果」の低下とは、いったい何に由来するのでしょうか。仏教思想にどっぷりとつかっている私などは、一休禅師の詠んだ和歌を思い出してしまいます。
 「幼子がしだいしだいに知恵づきて 仏に遠くなるぞ悲しき」
 仏教では人間を含め、全ての生きとし生けるものは、生まれながらにして「仏」であるとされます。しかし、私たちにその実感がないのは、人格の形成過程の中に問題があるというわけです。つまり、成長と共に肥大化し続ける自我(エゴ)によって、「仏(あるいは仏性)」は埋没させられてしまうということです。
 「コントラフリーローディング効果」は「逆たかり行動」などと訳されているようですが、私はあまり適切な表現だとは思いません。同効果が、人間も含む動物界全体に普遍的に見られる現象であるなら、それは「仏(あるいは仏性)」に起源をもつ、動物たちの本源的な行動様式と言ってもよいのではないでしょうか。「仏」を表すとき、そのキーワードとなるのは「無私」です。不労所得を選ばず、労働を伴う報酬に価値を感じるのは「無私」なる心の働きによるものだと思います。私なら「仏作行動(ぶっさこうどう)」と呼びたいと思います。「仏」の「作(な)す」行動ということです。いかがでしょうか。
           [リビアヤマネコ] African-wildcat-300x285_201602011021349cb.jpg   
 最後に蛇足になりますが、ネズミの実験に係わる一連の情報の中に、唯一「コントラフリーローディング効果」に無縁な動物がいるという一文がありました。それは“飼いネコ”とのことでした。
 我が家でもネコを飼っています。その行動を見る限り、ネコがなうての「現実主義者」であることはよく承知しています。それだけに、この一文には納得できました。
 “飼いネコ”の先祖は、アフリカに生息するリビアヤマネコだと聞きます。推測ではありますが、原種のリビアヤマネコなら、他の動物たち同様に「コントラフリーローディング効果」を示すのではないでしょうか。“飼いネコ”は、永く仏から遠い存在である人間と一緒に暮らすうちに「仏作行動」を忘れてしまったのかもしれません。だとしたら、人間はネコに対してたいへん罪深い存在であることになります。
 ただ、一方でこんな見方もできるかも知れません。レバーを押すことなく、そこに用意されているものを迷いなく食べるということも、それはそれで潔い態度と言えます。“飼いネコ”は、仏教で推奨される、いわゆる「知足」を実践しているのかも知れません。
 いずれにしても、せめて我が家のネコにだけは、きるだけの愛情を注いでやろうと思うのですが…。(〆)

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※クリックすると拡大して見られます。

次回は「一日不作一日不食」を掲載(3回配信)します。ぜひご訪問ください。

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