2017
01.13

動物たちの心 ②/③

Category: 未分類
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 チンパンジーの実験は、「他者を思いやる心」は人間だけに与えられた固有のものであることを知らせてくれるものでした。ただ、サルたちの人格(猿格?)を貶めるような実験であり、サルたちには詫びなければならないのかも知れません。
 そこで、今回は、もう一つ別の動物実験を紹介したいと思います。
 ネズミの餌が2つ用意されてます。ところが餌の与え方がそれぞれ異なります。
 Aの場合、餌はすでに皿に入っています。したがって、ネズミは何もしないで餌を食べることができます。
 Bの場合、レバーを押すと餌が出てくる仕掛けがしてあります。ネズミが餌を食べるためには「レバーを押す」という作業が必要です。AもBも同じ餌です。違うのは、Aは労せずして餌を手に入ることができるのに対して、Bはレバーを押さないと餌が手に入らないことです。
さて、ネズミはどう行動すると思われるでしょうか?
 
験してみると、ネズミはレバーを押す頻度の方が高いのだそうです。つまり、ネズミは労せず手に入る餌よりも、レバーを押す作業によって得る餌のほうが価値が高いと認識しているらしいというのです。これを心理学では「コントラフリーローディング効果(contrafreeloading effect)」と呼ぶのだそうです。
 もちろん、全部のネズミがレバーを押すわけではなく、同じネズミでもレバー押す時もあれば何もしないで餌だけ食べる時もあったようです。ただ、傾向としてレバーを押して餌を得る頻度が高いとのことでした。
 さらに興味深いのは、これが犬でもサルでも鳥類でも、魚類でも、動物界全体に普遍的にみられる現象なのだそうです。もちろん人間も例外ではありません。就学前の児童はほぼ100%の確率でレバーを押すのだそうです。ただ、人間は成長ととともにその確率が下がっていき、大学生くらいの年齢になるとレバーを押すのは50%まで下がるとありました。
 動物たちにとって、労せず得た報酬よりも、苦労して得た報酬の方が心理的な価値が高いということです。ごく俗な言い方をするなら、宝くじで当たった1000万円より自分が汗水流して働いて得た100万円のほうに価値を感じるということでしょう。
 心理学的にも、この方が脳が活性化することが証明されているようで、最近は、動物園などでも、わざと餌を隠したりトレーニングを取り入れたりして、動物たちが考えて行動しないと食べられないように、餌の与え方を工夫していると聞きます。これなどはその応用なのだと推測します。(以下、③/③につづく)

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※クリックすると拡大して見られます。

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