2017
01.09

動物たちの心 ①/③

Category: 未分類
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 今回は、チンパンジーにかかわる面白い実験を紹介したいと思います。愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所の次のような実験です。ちなみに同研究所はサルの研究に特化した、世界でも珍しいとされる施設です。
 二つの部屋が用意されています。部屋と部屋の間は、透明の板で仕切られ、チンパンジーが1頭ずつ入っています。真ん中には、面白い装置が付いています。
一方のチンパンジーがコインを一つ入れると、相手のチンパンジーがいる部屋から、チンパンジーが大好きなリンゴが一つ出てくるようになっています。チンパンジーには、前もって、コインを入れると、相手の部屋にリンゴが出ることをよく分からせました。そして、2頭のチンパンジーには自由にコインを入れさせました。
 さて、その結果はどうだったでしょう。読者は、両方のチンパンジーが入れたコインの数は、どうなった思われるでしょうか。
 その結果、コインの数は、12枚と2枚だったり、1枚と11枚とだったり、まちまちではありましたが、どういうわけか、片方だけが多くなるという結果になりました。同じ実験は別の3組のチンパンジーでも行われましたが、どの組も、同じような結果になりました。
 つまり、一方のチンパンジーだけがたくさんのコインを入れ、相手にリンゴを食べさせているのに、リンゴを食べた方のチンパンジーは、相手のチンパンジーにお返しをしないという結果になったのです。
 そればかりか、コインを入れようとしない相手に、コインを入れるように催促したのに、入れてくれないために、仕切りになっている板を越して、相手に飛びかかろうとしたりするチンパンジーもいました。そして、最後には、お互いに全くコインを投げ入れなくなってしまったそうです。
 読者は、この実験をどのように受け止められるのでしょうか。ちなみに同研究所は、“チンパンジーは相手を思いやる心が希薄である”と総括していました。チンパンジーは、人間に最も近い動物の一つだと言われているだけに、その心を窺い知る意味でたいへん興味深い実験だと思いました。
 杉本深由起の詩に、次のようなものがあります。
 「心につぼみが」
  だれかにやさしくされたら / だれかに / やさしくしたくなる
   こころにつぼみが / ふくらんで / パッと/花がひらく
  たんぽぽみたいね /「ありがとう」/  って咲いた花は
  綿毛になり / また /  だれかのこころに / とんでいく
以下略)
 “だれかにやさしくされたら / だれかに / やさしくしたくなる”、これが人間の持つ当たり前の心情ではないでしょうか。自己の喜びと他者の喜びとを一つにすることです。ちなみに、仏教ではこのような心を「慈悲心」と呼びます。“自己の喜びを他者に施し、他者の喜びを自己の悦びとする”という尊い心の働きのことです。 
(以下、②/③につづく)

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※クリックすると拡大して見られます。
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