2016
04.21

世界で一番貧しい大統領のスピーチ ④/④

Category: 未分類
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  ムヒカ大統領のスピーチに触れ、以前、本ブログで紹介したことのある言葉を思い出しました。近くのお寺で拝聴した法話の中で示された言葉でした。
  人間は、どうしたら満足になるかが分からない。そもそも満足というものが何であるかが分からない。だから、どうなったとしてもそれに満足できない。常に、深い渇(うえ)があり、不安がある…。
 目から鱗の落ちる思いで拝聴したことでした。満足などというと、とかく私たちは、それを金銭や物品などの潤沢さに置き換えてしまいがちです。しかし、それらのものは例外なく、移ろいゆくものであり、同時に限りあるものです。形あるものは、全て「無常」という真理からは逃れることはできません。それに、ムヒカ大統領も指摘しているように、そもそも私たちが暮らす地球そのものが有限です。
 ところが、私たちの欲に切りはありません。「どれだけ消費すれば満足か?」と問われても、「分かりません…。そもそも満足が何であるのか知りません…。」としか答えようがないのが私たちです。
 ムヒカ大統領の言う「ものをたくさん作って売ってお金をもうけ、もうけたお金でほしいものを買い、さらにもっとたくさんほしくなってもっと手に入れようとする社会」に満足などというのは幻でしかないのだと思います。
 仏教の思想を煎じ詰めたものの一つに「小欲知足(しょうよくちそく)という考え方があります。現状に満足し、不満を持たない生き方です。貪らない生き方、身の丈に合った生き方という言い方もできるかと思います。「目の前にある危機は、私たち自身のの生き方の危機である」というムヒカ大統領からの鋭い警句を前に、今、私たちが生き方を見直すとしたら、もはや「小欲知足」を実践するしかないのではとの思いが募ります。
 山田無文やまだむもん)老師(昭和に活躍した臨済宗の名僧)は、「お金というものも、足らんこともないが、余りもせん、これが一番金持ちである。いくらたくさんお金を持っていても、もっと欲しい、まだ足らんという人は一番貧乏人である」と述べています(『維摩経』の解説文より)。ムヒカ大統領の訴えようとしていることもこれと重なるものです。時代の違いや洋の東西を問わず生きる、普遍的な真理と言ってよいのではないでしょうか。
 最後に、ムヒカ大統領がスピーチの終盤に述べた言葉を紹介して、今回のブログを閉じたいと思います。               
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  わたしが話していることは、とてもシンプルなことです。
 社会が発展することが、幸福をそこなうものであってはなりません。発展とは、人間の幸せの味方でなくてはならないのです。
 人と人とが幸せな関係を結ぶこと、
 子どもを育てること、
 友人を持つこと、
 地球上に愛があること― 
 こうしたものは、人間が生きるためににぎりぎり必要な土台です。発展は、これらをつくることの味方でなくてはならない。
  
興味のある読者は、ぜひ原本に当たられてはいかがでしょうか。 (〆)

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