2016
04.13

世界で一番貧しい大統領のスピーチ ②/④

Category: 未分類
2 [ムヒカ大統領] 
 どのような立場の人物が、どのような場面で行ったスピーチだと思われるでしょうか。学者でしょうか、宗教家でしょうか、それとも環境保護団体の代表でしょうか。マスコミでも一時期、盛んに取り上げられましたので、すでにご存じの読者もあるかと思いますが、スピーチの主は、南米ウルグアイの大統領であったホセ・ムヒカ氏です。2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国際会議で開かれたときのスピーチでした。この会議の目的は、環境悪化が進む地球の未来について話し合うことにありました。
 世界中から集まった各国の代表が、地球環境の悪化を抑制することをめざし、順番に意見を述べていきました。しかし、各国ともこれといった案を打ち出せず、会議の終わり近づいたとき、ウルグアイの番がやってきました。そこで行われたのがムヒカ大統領のこのスピーチでした。
 会場の人たちは、南米の小国の代表の話に、はじめのうちはそれほど関心を示さなかったようです。ところが、スピーチが終わったとき、会場からは大きな拍手が沸き起こったといいます。
  その内容に心が揺さぶられるのはもちろんのことですが、私が驚かされたのは、それが一国の大統領によるスピーチであるということでした。一般に、この種の話と政治とは、相容れない関係にあるというのが私の認識だったからです。
                                                       
 ムヒカ大統領は、スピーチの中で「(環境の悪化の)ほんとうの原因は、わたしたちがめざしてきた幸せの中身にあるのです。見直さなくてはならないのは、私たち自身の生き方なのです」と述べています。また、引用文にはありませんが、「いままではとはちがった文化をつくるために、たたかいをはじめる必要がある」とも語っています。まことに重い言葉です。悪化の一途をたどる地球環境の問題に真正面から取り組むとしたら、これしかないというのがこの主張なのだと思います。まさに正論だと思います。
              [ウルグアイ国旗] 5_2015081613513365e.jpg
  ただ、正論はあくまでも正論であり、私たちは、道義や建前だけでは生きていけません。とかく「総論賛成」「各論反対」という二律背反に陥り易いのが私たちの常です。
 それに、そもそも“私たち自身のこれまでの生き方を見直す”などというというのは、そう簡単なことではありません。そのことを平たく言うなら、今ある便利さや快適さを手放し、不便や不快を許容することに他なりません。その意味では、時代の歯車を無理やり逆方向に回すことにもなりかねません。
 したがって、それが為政者から発せられたものであるなら、我慢の奨励や強要にもなるでしょうし、その先にあるのは、経済活動の停滞であり不況の到来ということになるのではないでしょうか。国民(住民)の投票によって選出された為政者が、我が身に不利に働くような言葉を口にするなどということは、通常はあり得ません。(③④へつづく)
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