2016
05.27

“角成らず”で勝つ ①/④

Category: 未分類
1[永瀬六段]

 私は、将棋をよく知りません。駒の動かし方くらいは知っていますが、戦法などについての知識は皆無です。まして定跡など知るよしもありません。
 その昔、小学生だった息子にせがまれ毎晩のように将棋盤に向かった時期もありますが、勝敗は五分五分でした。ところが次第に息子の腕が上がり、私の方が分が悪くなると、相手に不足を感じたのか、息子の方から対戦を持ちかけることはなくなったと記憶しています。しかも、私が負けるときは、たいがい私の凡ミスが原因でした。
 ところで、毎月購読している書籍の中に、将棋の世界のことで、たいへん興味深い事実があることを知りました。“角成らず”で、「王手放棄」と題した記事でした(月刊MOKU vol.278)。以下、玄 秀盛氏の原文をもとに紹介します。
 「将棋電王戦」というのがあるそうです。プロ棋士とコンピュータが戦うのですが、この「将棋電王戦FINAL」第2局で、永瀬拓矢六段が勝利したという話でした。ところが、意外にも、その結末はコンピュータの反則負けだったというのです。なぜ、コンピュータは反則を犯したのでしょう。
 コンピュータには、「棋譜」がインプットされていました。「棋譜」というのは、棋士たちが、過去に実際の対局で指した手順を記録したものです。プロ棋士が考えつく手は、ほぼすべて詰め込んであるといいます。したがって、コンピュータは、相手がどんな手を指しても、膨大なデータの中から、瞬時に最善の一手を探して指してきます。そのデータの量は人間より多いため、プロ棋士であってもなかなか太刀打ちできないとのことです。
 ところで、将棋では、敵陣に侵入したときなど、“成る”ことによって、別の力を付加できるルールがあります。いわゆる成り駒です。「角(角行)」や「飛車」では、「王」と同じ働きが付加され、「角」の場合は「竜馬」に、「飛車」の場合は「竜王」に成り、攻める力も守る力も増大します。“成る”ことによって、大きな力を得るわけですから、当然のことながら、ほとんどの場合、“成る”という戦法が取られます。“成らず”で指す人はないといっていいでしょう。
 ところが、永瀬六段は、「角」を敢えて“成らず”と指し、コンピュータに「王手」をかけたのです。付加できる力を敢えて抑え、敵に迫ったわけですから、驚くべき一手ではあります。
 ところが、この奇手に対して、コンピュータは「王手」への対応を放棄し、別の手を選択してしまったというのです。これは将棋のルールでは「王手放棄」という反則です。こうして、コンピュータの敗北が決まったというのです。(以下、②/④につづく)

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