2015
11.05

「たてまえ」と「ほんね」の間で ②/⑤

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 今回の読み物資料「いいおばけ」のあらすじは次のようです。


 夜、主人公(ぼく)と 姉、母親は、夕ご飯後、テレビを見ていたのですが、母親は家事の疲れからか、居眠りを始めます。すると、姉は、主人公に、二人で茶碗の片づけを提案します。姉は茶碗を洗い、主人公はテーブル拭きと皿拭きをします。
 しばらくして、目を覚ました母親はそれに驚きます。それを見た二人がにやにやしていると、母親は次のようにつぶやきます。
「こんなおばけが、毎日、出るといいわ。」


 この授業の場合、「たてまえ」とは何でしょうか。次のような発問によって引き出される反応かと思います。
Q居眠りをしているお母さんを見て「ぼく」はどう思ったでしょう?
・お母さんはとても疲れているんだな。
・お母さんは、「ぼく」たちのお世話で疲れているのかな。
・お母さんが疲れないようにお手伝したいな。
 「お手伝いしたいな」という発言がありますが、これはいわゆる「べき論」のカテゴリーにあるものです。いわば「きれいごと」を述べたもので、まだ「ほんね」とは言えません。
 そこで、次に「ほんね」を引き出す段階です。自分の中に潜む別の感情に気づかせる段階です。これには、次のような発問が考えられます。
Qお母さんが、おばけの仕業と言ったとき「ぼく」は、どんな気持ちになったでしょう?
これに対しては、次のような反応が予想されます。
・お母さんは、お姉ちゃんだけがやったと思っているかもしれない。
・お母さんは、ぼくがやったことに気づかいていないかもしれない。
・せっかくお手伝いをしたのに自分のことを認めてもらえないのはつまらない。
 これが「ほんね」です。「たてまえ」を除いたときに現れてくるもう一つの感情です。飾りのない「生の声」と言ってもいいかと思います。
 この段階では、さらに自分自身の事前の経験(学習)を想起させる必要があります。次のような問いかけです。
Qあなたにも、これと同じようなこと(経験)がありましたか?
 次のような反応が予想されます。
・お手伝いをして誉めてもらえなかったとき、つまらなかった。
・誉めてもらえると思ってやったのにだれも誉めてくれなくて、やる気がなくなったり、怒れたりしたことがあった。
・誉めてもらったときはとても嬉しかった。
 「たてまえ」から離れ、それまでは気づかなかった自らの内面に潜む、いわばマイナスの感情の存在に気づかせる段階です。これが、次にそれを乗り越えていこうとする意欲を高める段階へのステップになります。そのために、これまでの自分の経験や体験を思い起こさせ、主人公の心情に重ね合わせながら考えさせていくというわけです。
 ところで、「ほんね」を引き出すことは非常に重要ですが、この段階で終わってしまっては授業の目的を達成できません。実践への意欲を高めるためには「たてまえ」と「ほんね」を統合する必要があります。どうしたらいいのでしょうか?次のように発問が考えられます。(以下、③/⑤につづく)

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※クリックすると拡大して見られます。



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