2015
08.25

「布袋さんの笑顔」③/③

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d0178825_9293918.jpg  [「十牛図」第十より]

 『般若心経』の有名な一節に「色即是空、空即是色」があります。「色」はあらゆる有形物を意味し、「空」は、無形物(見えず、聞こえず、嗅げず、味わえず、触れられないもの)を意味します。したがって、ごく平易にいうなら、あらゆる有形物は、無形物に変化し、また無形物は、あらゆる有形物に変化するということです。後半の「空即是色」に着目していうなら、「空」すなわち“平等”の世界は、常に「色」すなわち“差別”という形をとってしか現れようがないということになるでしょう。つまり「平等即差別」ということです。
 布袋さんは、この真理に目覚めていたのではないかと思うのです。本来は“平等”であっても、現実には“差別”という形でしか存在できない。その真実に目覚めることで得られる俯瞰力、達観力によって、相手を無条件に認めることができたのではないでしょうか。
 「柳は緑 花は紅(やなぎはみどり はなはくれないという有名な禅語があります。文字どおり、柳は緑色であり、花(この場合は桃の花)は紅色であるというごく当たり前のことを述べたものですが、これは、「柳は緑色」であることが真理があり、「花は紅色」であることが真理であるということです。柳は花にはなれません。花も柳にはなれません。比較しても何の意味もありません。共にそのままで最高の在り方であるということです。
 勝手な推測ですが、布袋さんには、“差別”(あるいは“違い”)をそのままに認めていくことが最も理にかなっているという信念があったのではないでしょうか。それが、誰に会っても
 「そうか、あんたみたいな人もいるんだなぁ。それはそれでいいわなぁ。ガッーハッハッハッ…」
ということになるのだと思います。
 『悟り』への道程を十段階で図説したものに「十牛図(じゅうぎゅうず(中国宋代に編纂)がありますが、その最終(十番目)の段階で、布袋さんらしき人物が描かれています。これからも分かるように、布袋さんは、明らかに『悟り』の姿の象徴なのだと思います。
 私には到底たどり着くことのできない境地ではありますが、幸い拙宅には物心ついた頃から布袋さんの置物があります。心の中に波風が生じたとき、それを眺めながら、少しでも俯瞰力、達観力を養い、心穏やかに過ごせていけたらと考えているところです。(〆)
 
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