2015
03.26

「天上天下唯我独尊」②/③

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a_kutukimura-img600x450-13947941696qednn5924.jpg [誕生釈迦像]

 「本当のあなた」(言い換えるなら「本当の自分」)は、これらの情報をすべて取り払ったときに現れてくる…。これが仏教(とりわけ禅)の解釈です。
 西村恵信氏(禅文化研究所所長 臨済宗の禅僧)は、その著書『坐る』(禅文化研究所)で次のように述べています。
 「誰でも、夜ぐっすりと眠っているときには、自分に気づいていない。しかし、朝起きてみると、自分が寝ていた証拠にベッドがくぼんでいる。それは、一晩中ゴロンと横たわっていた自分というこの肉の塊が存在した証拠だが、実はこれこそが「本当の自分」ではないか。この肉の塊こそ、母親のお胎から生まれてきたままの自分であり、やがては棺桶に納められるものなのだ。世の中にたった一つしかない、大切な、大切な自分。「本当の自分」というのは、実はそういうものである。」
 このように、仏教によれば、「本当のあなた(自分)」は、私たちの意識や知識、概念などとは全く別なところに存在している、いわば“Something great”の働きにつながる自分ということです。したがって、それは、先に示した自己紹介の例のように、説明しようのないものであり、ただ一つの存在であるという意味で、この上なく大切なものであるというわけです。
 ところで、4月8日は、釈迦の誕生日とされています。そこで思い出すのが、釈迦誕生にまつわる有名な逸話です。釈迦は、その誕生のとき、すぐに7歩歩き、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそんと語ったと伝えられます。因みに、その誕生を祝う仏教行事である灌仏会(かんぶつえ)に見られる像は、そのときの釈迦の姿を表したものと言われます。
 「天上天下唯我独尊」…。この言葉は、しばしば誤解して使われることがあるので注意しなければなりません。「この世で一番尊いのは自分である」とも解釈できることから、「自己中心」とか「傍若無人」と同意で使われることがあるからです。
 落語のまくら噺ではありますが、次のような笑い話も聞いたことがあります。曰く、「それを見ていた周囲の連中が、『生まれたばかりのくせに、生意気なヤツだ』とばかりに袋叩きにした。そのため、お釈迦さんの頭にはたくさんのコブができてしまった…」と(誤解のないように申し添えますが、お釈迦さんの頭にあるのボツボツは「螺髪(らほつ)」といわれるもので、釈迦の縮れ毛を表したもののようです)。
 これは、漢字を直訳したことにより生じた曲解がもとになっているものです。正しくは、次のように解釈すべきものです。  (以下、②/③につづく)

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※クリックすると拡大して見られます。

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