2015
06.14

『役割を果たす』⑤/⑥

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 さらに最近、こんな場合もあることにも気づきました。マスコミでも盛んに報道されましたのでご存じの読者も多いかと思いますが、2014年2月、ソチオリンピックでのクロスカントリー男子スプリント競技での一シーンです。
 ロシア代表の選手がレース中に転倒し、スキー板が破損してしまいました。同選手は、何とかレースを続行しようとしますが、再度転倒し今度は板が完全に2つに折れてしまいました。このまま棄権かと思われたとき、ライバルチームであったカナダのコーチが新しいスキー板を持って駆けつけ、交換してあげたのです。その結果、同選手は見事ゴールすることができました。
  いろいろな論評があるようですが、私は、カナダのコーチのこの行為こそは、“無意識”の中から生まれたものだと思うのです。目の前に、スキー板が壊れ、難儀をしている選手を目撃したとき、コーチは、後先を考えず、とっさに新しいスキー板を手に駆けつけたのではないでしょうか。そのとき、国籍や着順、あるいは過去の経緯など、念頭にはなかったと思うのです。
  また、同じころ、次のような新聞報道がありました。2013年12月22日、東京都・東大和市の駅構内で、男性一人がホームから線路上に落ちました。目撃した中国人の付鴻飛さんが、すぐさまホームから飛び降り、現場に居合わせた他の乗客と一緒に、転落した男性を救助したという記事でした。付さんは、名前も告げずに電車で立ち去りますが、救助者を捜す駅構内ポスターを見た知人の勧めもあり、「日中友好のために中国人のイメージ改善につながれば」と思い直し、申し出たとのことでした。
  勝手な想像ではありますが、この場合の付さんの行為も“無意識”の中で行われたものではないでしょうか。付さんは、事後、インタビューに応え、「日中友好ため」と述べたといいますが、救助の瞬間には、そのような思いはなかったはずです。ただ何かに突き動かされて、“無意識”の中でその行為に及んだと思うのです。
 カナダのコーチにも付さんにも、その刹那には、「人から喜ばれる」ことをしよう、まして、その行為を美談にしようなどとの思いは微塵もなかったはずです。 (以下、⑥/⑥につづく)  
  
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