2014
08.30

「尾根の木 谷の木」③/③

Category: 未分類

  
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 そこで、このスギの話に戻りますが、私たちは、先のスギが指し示す事実からどのようなことを学び取るべきでしょうか。
 結論は、明白だろうと思います。困難や苦難の中でこそ、人間は鍛えられ、真に「生きる力」が養われるということです。それは、個人の問題にのみ当てはまることではないだろうと思います。
 東日本大震災を受け、エネルギー問題の論議が白熱するなか、政府は“原発ゼロ”を現実的な選択支ではないとして、再稼働へ向けた舵を切りつつあります。しかし、スギが指し示している教訓は、これとは明らかに異ります。
 私たちには「節電」という智恵があることを忘れてはならないと思うのです。「少欲知足」の実践と言ってもよいかと思います。「節電」は、見方を換えれば立派なエネルギーです。その証拠に、震災後、「節電」が叫ばれるようになると、それまで上昇の一途をたどっていた電力消費量は低下しました。「節電」は新たなエネルギーに転化したのです。私たちがこの事実に目覚め、危険な原発に頼ることなく、「節電」を継続的に実践していくことこそが、真に「生きる力」(「生き残る力」)になるのではないでしょうか。  
 無情のものたちは、「私心(我欲)」を持つことなく、四六時中、説法をしています。問題は、私たちがそれを受け止められる力量があるかどうかだと思うのです。
 無情のものたちの生き様、在り様から学ぶことは、私たちの心の中に巣くっている間は万物の霊長である」という驕りを正すことでもあるでしょう。そのためには、私たち自身が、できるだけ「私心(我欲)」から離れ、かれらとの距離を近づける努力をしなければならないのだと思います。それが、「無情説法」を聴き取るためのアンテナを高く、鋭くすることだろうと思うのです。
 最後に、金子みすヾの詩を一つ紹介したいと思います。私見ではありますが、金子みすヾこそは、「無情説法」を聴き取ることに非凡な才能を発揮した詩人の一人だと思います。読者は、この詩からどのような説法を聴き取
られるのでしょうか。   (〆)


 土と草
            金子みすゞ
  かあさん知らぬ 
  草の子を、  
  なん千万の草の子を、
  土はひとりで育てます

  草があおあおしげったら
    土はかくれてしまうのに 

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次回は、「『二つの円』から」を掲載(5回配信)します。ぜひ、ご訪問ください。



                     



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