2014
08.26

「尾根の木 谷の木」②/③

Category: 未分類

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 (反対に、尾根のスギはどうでしょう。)山の尾根は、雨が降ってもすぐ下の方に流れ去ってしまいます。養分もすぐに流れ去ってしまいます。それに、山の尾根は、毎日、風も強く当たるので、土はとても乾いています。そのために尾根のスギは、水や養分をしっかりと吸うために、根を深く、広く伸ばさなければなりません。
 また、山の頂上は、強い風が吹くことが多いので、スギは倒れないように根をどんどん太くして張らなければなりません。それに、幸いなことに、山の尾根には太陽の光がよく当たるので、葉っぱでできたたくさんの栄養は、しっかり根や幹や枝に送られ、根や幹はどんどん強くなるというわけです。だから、台風に当たった尾根のスギは、風に当たってもびくともしなかったのです。
 成長過程を歩む子どもたちに伝えたいような内容の話ではあります。しかし、私たちが、この種の話に心打たれるのはなぜなのでしょう。
 以前、本ブログでも紹介したように、禅には、「無情説法」と称して、動物や植物の生き方、あるいは山や川(水)、月などの在り方から多くを学び取ろうとする考え方があります。「無情」とは、「心」をもたないものたちの総称です。そして、「心」とは、「私心(我欲)」と同義と受け止めてよいかと思います。「私心」から離れてあることを『悟り』と定義するなら、これらのものたちは、すでに悟っている、故に、彼らは、そのまま(の姿)で仏である、と見るのが禅の立場です。これらのものたちは、仏のごとく「私心(我欲)」がないから、迷うことも、間違うこともないというわけです。
 したがって、「無情説法」を聴くということは、これら無情のものたちが示す生き方、在り方の真実や真理から、私たち人間が積極的に学び取っていくことだと解釈できます。 (以下、③/③へつづく) 

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