2014
10.13

「ネコを斬り捨てる」②/⑤

Category: 未分類
02 
 この禅問答では、南泉禅師が斬ったのは何かということが求められるようです。当然のことながら、「ネコ」では、答えになりません。厳しい修行の一環として行われるのが禅問答であり、その答えが簡単に分かるわけではありません。また、それが一般人に理解できるように明示されているわけもありません。
 書物などで紹介されている回答例としては、「二元対立の世界」を斬り捨てた…、あるいは「尊卑の固定観念」を覆した…などの説明がありますが、これらは理屈であり、この答えをもって合格点をもらえるとは思えません。「不立文字(ふりゅうもんじ)」とも言われるように、禅の世界にあっては、真理は、言葉や文字を超えたところにあるのですから…。
 ただ、そうは言っても、たいへん気にかかる話ではあります。凡庸な私などは、南泉禅師に許される答えとは果たしてどのようなものか、気になって仕方がないのです。
 ところで、この逸話について、たいへん興味深い事実があることを知りました。中国の五大十国時代に編纂された禅宗の書物「祖堂集」によると、次のような後日談が残されているというのです。保寧和尚(ほねいおしょう)にまつわる話として紹介されていました。
 保寧和尚は、この話を聞くと、次のように述べたとありました。
わしがその場に居合わせたら、ただ首を差し伸べて、南泉の前面に向かおう
 いったい、どういうことなのでしょう?
 すでに悟りを開き、人間の自我を捨て去った保寧和尚にとっては、自分も猫も同じだったということなのでしょうか。まさに「自他一如」の境地から発せられた言葉なのでしょう。「二元対立の世界」の否定とも言えるかと思います。
 修行僧たちの中に、保寧和尚のように応じる者がいたとしたら、南泉禅師は、ネコを斬らずに済んだかも知れません。
 しかし、これは、あくまでも仮定の話であり、真相は闇の中といったところでしょう。話はまだ続きます。(以下、③/⑤につづく)

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※クリックすると拡大して見られます。

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